漫画の電子出版について調べてみた。んで、提案してみた。

しかだよ。漫画を電子出版するにはどうしたらいいのか色々と調べてみたよ。

iPadで電子漫画を読む

iPad買ったので、色んな電子書籍リーダーで漫画を読んでみた。

アプリ 評価 zip対応 web対応 独自store 説明
i文庫HD ☆☆☆☆★ × 読みやすい。ページめくりがしっくりくる。FTPやHTTPにも対応してる
ComicGlass ☆☆☆★★ × i文庫とほぼ同じくらい。
CloudReaders ☆☆★★★ × × シンプル。
Bookman ☆☆★★★ × × ページめくりの方向が逆で読みづらい。
dBooks ☆★★★★ × × 独自storeから同人誌がDLできる。まだコンテンツが少ないけど将来に期待
iBooks ★★★★★ × × 漫画読めない。

漫画が以下の条件を満たすと、iPadでweb対応のリーダーを使ってhttp指定で直接漫画を読むことが出来る。

  • jpgフォーマット
  • ファイル名がページになっている。例 001.jpg 002.jpg ... など
  • ひとつのフォルダにまとめてある
  • zipで圧縮してある

Web漫画サイト「Show Stoppers」しまざきかずみさんのサイトの場合、 http://webcomic.bake-neko.net/Comics/shima001/shima001.zip をi文庫HDでダウンロードする

iPadで漫画読んだけど、これはいいね。気軽に読めるし、本棚は嵩張らないし。こりゃ流行る。

フォーマット

epubなどの電子書籍フォーマットが提唱されているがこれらは小説向きで、漫画には不向きだと思う。漫画は文章主体ではなくイラスト主体で文章は補佐的な役割を持つ。漫画の出版はepubとか無視して別のフォーマット作るか、jpegでいいんじゃないかとおもう。

同人誌業界

漫画を電子出版するなら、どの漫画がいいだろう?やっぱり時代を動かすのはインディーズ業界ということで、とらのあなまんだらけメロンブックスなど渡り歩いて、今回初めて同人誌を買ってみた。チョメチョメな東方4コマ漫画

ええ、東方が好きなもので・・・。
同人誌全体に対する率直な感想は高い、薄い、数が少ないだ

  • 高い

一度に100〜1,000部しか刷らないので、印刷費が高い。500円の本なら、350円くらいが印刷費だ。どうしても大手出版社より高くなる。

  • 薄い

個人やサークルが描いているので、商業作家の様にハイペースで書けない。また、印刷費の問題でページが多いとその分高くなる。

  • 数が少ない

個人活動なので在庫を抱えるコストが生活に直面するので、在庫を抱えれない。そのため、品薄になってしまう。

すごく簡単な例だけど、28ページを300部印刷して50,000円くらいで、それを1部300円で売った場合90,000円の売上になる。下のグラフはそれの内訳。40,000円が利益になるわけじゃなくて、交通費、雑費、委託費、売り子さんとかの人件費とかで、完売しても利益がほぼない。

緑が印刷費、青が純利益

まさに電子出版をするのに最適な業界だと感じた。電子出版なら印刷コストが0円だからだ。また、数人の同人誌作家にインタビューしてみたが、彼らは儲けることよりも、作品を見てもらうことに対する情熱が強い。ネットならば世界中の人に見てもらうことだって可能だ。

同人誌業界の電子書籍

同人誌総合ポータルサイトcircle.ms電子書籍に積極的な動きをみせている。
同人誌をiPad/iPhoneアプリで世界配信!同人誌作家向け電子書籍アプリ作成サービス開始
同人誌をiTunesで販売できるシステムだ。おもしろいと思うけど、重要な問題点がある。appleの規制だ。そのため、このサービスでは同人誌の中でも一部しか出版できないと思う。あと、1冊の漫画がデスクトップに配置されるので鬱陶しい。

appleの規制

iPadで問題になるのはappleの描写への規制だ。iPhone/iPad appでエロや過激な描写が禁止されているのは有名だ。
iPadでマンガ読めなくなる? 性描写と暴力に異常ピリピリ

ボイジャーが関与した講談社のコミックをiPhone(アイフォーン)用のアプリケーションにして、アップルのコンテンツ配信サービス「iTunes store」に申請したところ、約30%が却下されたという。暴力シーンではなく疫病で血が流れた場面や、女性の胸がハプニングで露出したシーンも「残虐」「エロ」と判断された可能性があるようだ。

このような規制の中では、エロ文化が強い同人誌は表現力を失ってしまう。

同人誌はどう電子出版していくべきか

appleの規制の中で漫画を出版するのは上記の理由から避けるべきだ。しかしiPadなどの電子端末で漫画を読む需要は増えていく。また、印刷費がかからないため、出版や作家側が電子出版したい需要も増えていく。ではどうすればいいか。そう、webでやればいい。iPadはただのビュワー、漫画はwebサービスとして展開する。そうすればappleからコンテンツに対して規制は受けない。また、多くのプラットフォーム(iPhone iPad Android Netbook DesktopPC)に即座に配信できる。

というわけで、webの漫画配信サービスを考えてます。

次回は著作権とかを交えながら、漫画のあり方を考えてみます。